衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第13巻より
2021年(令和3年)2月27日 ベストグループ東北一日研修 ②
実は、高校二年になった時、父に「お父ちゃん、僕は勉強で一番になったことがないから、勉強で一番になるで」と言ったことがあります。一度くらい勉強で一番になりたいと思ったのです。口に出して言った以上、勉強しないといけません。
父は「人の三倍努力したら、何でも一番になるぞ。天が与えた才能は努力だ。努力に勝る天才はなし。良い努力をした者には敵わないぞ。人間は努力によって人生が決まる。だから、良い努力をしなさい」と教えてくれました。
クラスで周りを見ると、試験の一週間前から勉強する人が多かったのです。中には二週間前から勉強する人もいました。試験の三週間前から勉強する人はいなかったので、私は試験の三週間前から勉強を始めました。そうすると、成績で一番になったのです。これが「有言実行」です。
私の高校時代は、八畳の間に六人家族が生活していました。私が中学三年の時には、父も母も働いていませんでした。私と腹違いの弟二人で新聞配達と牛乳配達をして、六人家族が成り立っていました。
貧乏だったので、ご飯が食べられない時もありました。家に醤油(しょうゆ)が無かったので、ご飯をソースで炒めて食べていたこともあったのです。そんな貧乏な家庭環境の中でも、私は一度も不平不満を言ったことはありません。
親は働いていないから、家で毎日喧嘩していました。後ろでは、三人の弟妹(ていまい)が騒いでいるのです。しかし、私は「一番になる」と決めたから、コツコツ勉強したのです。当時の成績表を見ると、ほとんど「オール優」です。
どんな環境であろうとも、やる意欲があればできるということを体験しました。ですから、家庭環境が大変だったというのは、私から見れば関係ありません。
どんな環境であろうとも「決めたことをやり通す」という信念が、私はいつの間にか身に付いていたのです。それは、父と育ての母の姿を見て学んだのです。
皆さんの中には、できなかったらすぐに言い訳をする人がいます。しかし、それは私にとっては関係ありません。「できなかったと言い訳をするな。しなかっただけだろう。やろうと思ったらできる」というのが私の考えです。
私はそのような性格だったので、事業家時代、三十五歳で三つ目の会社を作らせていただいて、丸三年で資本金一千万円で現在の百億円の売上をさせていただき、訪問販売業でトップクラスにならせていただきました。
資本金はたった一千万円で、無借金経営をさせていただきました。しかし、四年目に欲が出て、一千億円の売上にチャンレジした時に敗れていきました。それは、私が汚い心の人間になったからです。
「俺は凄い」と高慢になった時から、人間は敗れていくように創られているのです。心が悪くなると、人心、つまり人の心が離れていくのです。多い時には五千四百名の方が働いてくださったのですが、会社が潰れかけてあっという間に三百名まで減ってしまいました。
会社が潰れかけて三年間、苦しみを経験しました。私は人生で一度しか失敗を経験していません。その失敗の要因は、幼少期に育ての母から教えてもらった命の存在を忘れてしまったからだと気づいたのです。
この世には、見える存在と見えない存在の二通り創られているのです。見える存在は、物質です。見えない存在は、命や偉大なる存在や心です。心にも、見えない存在を信じる心と、見えるものしか信じない心の、大きく二つに分かれます。
見えない存在を信じる心は、白い心です。物質しか認めない赤と黒の心を、インドでは「魔性(ましょう)の心」と言われます。見えない存在を信じる心を、インドでは「神性(しんせい)の心」と言われます。
見えない存在を否定する人をよく見ると、人間的に優れない性格の方が多いと思います。仕事をしても難しい方が多いです。私は事業家時代、そのような性格になった時に失敗していったのです。
見えるものも見えないものも、どちらも大事だと思った時に、たくさんの方が集まってきました。「見えないものしか信じない」だけでは、生きられないと思います。なぜなら、物質の世界で生きるためには物質を手に入れることも大事だからです。
食べ物は見えるものではないですか。私たちは、食べ物があるから肉体が維持できるのではないですか。さらに、目に見えない空気を吸って生きているのではないですか。だから私は、見えるものも見えないものも、両方を認めているのです。
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